先日、男のカマす 『寸止め』 について個人的に思うことを綴ったところ、様々な角度からのご意見を賜った。貴重なコメントを寄せて下さった皆さん、どうもありがとうございました。 それらのコメントを読んでいて強く思ったのは、僕は先の日記で 『男の寸止めはよろしくない』 という論陣を張ったところ、一部の女性は 「いや、寸止もさることながら、そもそも手マンがイヤなんです!」 という声を上げており、これは個人的にとても新感覚の切り口であって、何かもうこめかみの辺りにガーンと強いの一発喰らった気持ちになったよ。 手マンをもう一度掘り下げてみよう! 手マン・ルネッサンス! ということで、本日は ■ あなたの彼女は大丈夫? パートナーが "手マン好き" かどうかを見分ける、恋のABC。 をお届けします。チャンネルはすぐ変えろ!   世の中の女性の何割かは、確実に手マンに対して否定的な感情を有している。これはもう身体的な問題なので致し方のないことである。鼻炎や偏頭痛の場合と同じく、日常生活の中で "上手" に付き合っていくほかない。 ここで問題なのは、多くの男性は無意識のうちに 「そうは言うても、ほら……嬢ちゃん、好きなんやろ?」と、鶴光師匠ライクなマインドを有していることである。噛み砕いていえば 『女性とセックスを行う場合、手マンをカマすのは当たり前のことだ』と盲目的に信じてしまっているのだ。少なくとも僕はそう思い込んでいた。己の浅学を恥じるばかりである。 ただ、相手が手マンについてどう思っているのか?これは外面的・身体的な要素から判断を下すことは難しい……というか、ほとんど不可能である。世の中には肉体言語で語り合って初めて分かる真実、というものも存在するのだ。花を愛で月を眺むるばかりでは辿り着けぬ境地も、ある。 パートナーが、あるいは想いを寄せる人が、手マン肯定派なのか手マン否定派なのか?我々メンズはこの部分を見極めることが急務であるといえる。とりあえず 『手マン否定派』 という字面は、何だか『イスラム過激派』的なワードを彷彿とさせるので、本日のところは前者(肯定派)のことをマンコー、後者(否定派)のことをマンヒーと呼称したい。宜しくご確認下さい。 相手がマンヒーであるか否かを確認するためにはどうすれば良いのか。おそらく大半の人は 「とりあえずエッチしてみて、相手のリアクションで判断してみればいいんじゃないの?」 と仰るのではなかろうか。御説ごもっとも、である。 こわっぱが……。よろしいか?!確かにそのやり方、ミスも少なく確実性も高く、また安全な一策ではあろう。相互理解を深めるためには心も体も裸になってぶつかるのが一番だよね!という気持ち、分からなくもない。 しかしそこには美学が、あるいはスマートさが!足りないのである。とりあえずベッドにインしてみて、その後に相手のリアクションによって動向を決める……それは対症療法的手法である。が、果たしてそれでいいのだろうか。我々はもっとこう、肉体言語で語り合うよりも前に『君が手マン嫌いだってこと、知ってたよ』 と、常に機先を制するやり方を求めるべきではないだろうか。 "指示待ち" ではダメなのだ。 相手の表情、呼気、体温、肌の色艶……等等の情報を総合考慮し、イン・ザ・ベッドよりも早く 『相手がどの宗派に属するのか』 を察知すること、それがこの荒れ狂う21世紀を生き抜く秘訣なのである。僕たちはいつまでもエサを待ち続けるだけの家畜じゃ、いられない。 具体的にどうすべきか。 以下、事例に分けて検討したい。 ――ケースNo.1―― 恵子との三回目のデート、いつも外食ばかりじゃ芸がないと思った僕は、思い切って彼女を明治神宮へと誘ってみた。 彼女は自然が好きだ。だから多くの木々に囲まれた明治神宮でのデートは、きっと素敵なものになるに違いない。 「都心にこんな場所があるなんて、何か凄いね」 本殿までの長い道のりを歩みながら、恵子は思わず嘆息を漏らす。うっとりとしたその瞳を脇目に見ながら、僕は自分の選択が間違っていなかったことに安堵した。 「うん、僕も都内にはもっと緑が増えるべきだと思うよ。ただそれには、ちょっと人口が多すぎる。もっと減ればいいのにな」 「ふふ、でも私たちもその内の一人なのよ?」 先ず隗より始めよ、ってね――言いながら、恵子は悪戯っぽく笑った。僕は彼女からの思わぬ反撃に苦笑いを浮かべることしかできない。だけどそんな時間がどうにも暖かく静謐で、心地よかった。 「あっ、スズメがいる!」 恵子が指差した先には、なるほど確かに小さな鳥がよちよちと歩いている。僕らはその方にそろそろと近づいていったが、あと少しのところで察知されたのか、スズメは素早く大空へと飛び去っていった。 「何だか、スズメを見るのも久しぶりって感じがするわ」 「うん、それは気のせいじゃないと思う。最近の研究によればスズメの数は随分と減ったらしく、ここ20年足らずで国内のスズメの最大80%、半世紀前との比較では90%も減少した、っていう報告もあるんだ」 「それってやっぱり……私たちのせいなのかな……」 たちまちにして恵子の表情が曇った。田舎で育った恵子は自然を愛でる気持ちが人一倍強い。そんな恵子にとって、スズメの数が激減しているという情報は心に苦しいものがあるのだろう。僕は率直に過ぎた自分の言葉を悔いた。 「でも、きっといつかスズメも戻ってくるわ。スズメだけじゃない、メダカもタニシも、もしかするとトキだって。私たちの心がけ一つで、また日本中で見かけることができるようになるかもしれない」 刹那、力強い意思の光が恵子の瞳に宿る。 ああ、そうだ、恵子は決して心の弱い女性じゃない。 目の前の困難に正面から向き合い、挑み、克服するような人なのだ。 だから僕はそんな恵子のことを好きになって、そして―― 「……恵子ちゃん、いや、恵子」 「え?な、なに?」 「大事な話があるんだ。聞いて欲しい」 その時、本殿の方から一陣の風が吹いた。 僕らの周囲は得体の知れぬ静けさに包まれる。 「恵子……」 「うん……」 「手マン、好き?」 〜あしたのために その1 『直球で聞いてみる』〜 これが正攻法で、かつ最も実効的なやり口がこれであることに反論はあるまいな。 セックスしないと手マンが好きかどうか分からない?だったらYOU、セックスする前に聞いちゃいなよ!というマインドからの帰結、それがこの方法を生み出したのである。シンプルだが、シンプル過ぎるが故に、誰もが見逃してしまう一策だ。 そうは言っても、口頭で問いかけるのは恥ずかしい……というおしゃまなキュート・ボーイたち。その気弱さは日本男児として少々落第点であるが、個人的にはマウス・トゥ・マウスでの問いかけに限定する必要はない、とも思う。 想いを手紙に込めて。字にしたためてみては、どうだろうか。 参考までに代表的な文例を紹介しておきたい。 拝啓 貴下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。 平素は、格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます。 手マンは好きですか。 敬具 『粗にして野、だが卑ではない』という名言を体現したかの如き文面である。男が何かを語るとき、決して饒舌であり過ぎてはならないのだ。その意味からすればこの手紙、きっと彼女の琴線を激しくかき鳴らすこと、請け合い。 あるいは以下のような文面でも良いだろう。 前略 手マン 早々 さあ、どうだ。『ううむ、雅なるかな……』 と、思わず仰天顔を浮かべられた皆さんの顔が瞼の裏に浮かんできたが、さあどうだ。 なるほどこの文面、一見すれば 「簡素に過ぎる!」 という反発も覚えそうであるが、果たしてそうであろうか。 人間の本音が出る瞬間、それは往々にして 『虚を突かれたとき』 に収斂していく。虚を突く、つまり相手の油断に乗じて攻めることであるが、その意味からすればこの簡素なる書簡、正しく "虚を突く" 文章であるといえる。 電子メールが隆盛の極みを迎えた昨今において、誰かから手紙が届く……それだけで人は胸に高鳴りを覚える。 (一体どんなことが書かれているの?想いを手紙にまでして伝えたかったことって、一体?) 心は千々に乱れることだろう。女子は丁寧に手紙の封を切り、満を持してあなたの綴った便箋を開く。すわそこには! 手マン マーベラス……万雷の拍手を、貴方に。その衝撃的な三文字を目にした彼女、ウソをつく暇すらなくて。きっとそれを読んだ後に発せられる言葉は、偽らざる彼女の本音である。聞き逃してはならない。 【彼女のリアクションに対する通説的見解】 ・「好き!」……もちろん『手マン大好き!』の意味である。 ・「嫌い!」……『直接聞いてくれればいいのに、手紙だなんて回りくどいやり方は嫌い!手マン大好き!』の意味である。 ・「キモッ!」……『手マン、キモッ!ちいい!』の意味である。 ・「あ、もしもし新潟県警さんですか?実はいまストーカーの被害に遭っていて……ええ、手紙が……もうどうしたらいいか分からなくて……はい、はい、署に行けばいいんですね、はい」……接近禁止命令の意味である。 では、先を急ぐ。 ――ケースNo.2―― 「ごめん、待った!?」 「ううん、さっき来たところだから平気だよ」 恵子はそう語る彼の言葉を聞きくも、それがまるっきりウソであることに気が付いた。普段あまり煙草を吸わないはずの彼なのに、その机の上の灰皿は少なくない吸殻で満たされていたからだ。 「マジでごめん、バイトが長引いちゃって……」 「ハハ、本当にいいんだよ。ところでさ」 早速、という感じで本題が切り出された。ここは大学の研究室であり、この日は彼の実験に付き合うために大学までやってきたのだ。何でも被験者がいないとデータが取れない類の実験であるらしい。 「痛いのはイヤだよ?」 「大丈夫、簡単な質問に答えてもらうだけだから。じゃあまずは……このコインの先をじっと見つめて……」 「えっ、それって……!」 それは確か、テレビドラマなどで見たことがある。そう、あれはおそらく催眠術か何かで用いられる道具で……でもそんな、簡単な実験だって聞いたからやって来たのに、催眠だなんて……! 「ちょっ、私そんな……!んっ……この匂いは……なに……?」 「ああ、阿片だよ。君だって知ってるだろ?阿片」 あ、アヘン……?!それって確か禁制薬物のはずじゃ……!しかしながら気付いたとき既に遅し、段々と意識が混濁していく。見れば彼は、いつの間にかガスマスクを着用していた。嵌め、られた……。 「さあ、気持ちを落ち着けて、リラックスして……まずはこの飲み物を飲んで落ち着こう……」 朦朧とした意識の中、彼からグラスを手渡される。不思議な色をしたその飲み物は、おそらくこれまで見たことのない飲み物だった。判断能力がほとんど残されていなかった私は、彼が勧めるがままに手の中の液体を飲み干す。 「これ……は……」 「アブサンだよ」 瞬間、より深い混沌が頭の中に訪れた。目の前にはゆらりゆらりと揺れるコイン、漂う煙、ガスマスクを着けた彼、ドロリとした意識に、浮揚するような感覚に。もうどこまでが現(うつつ)で、どこまでが夢で、何も何も、もう何も分からない、分からない。 「さあ、リラックスして、質問に答えて」 「……」 「手マンは好きかな?」 「きら、い……」 「ほーら、手マンが段々好きになる……好きになる……」 「……す…き……好、き、好き!大好き!アモーレ!」 「よし、実験は終了だ!早く空気を入れ替えて!おい上原ぁ!冷たい水持ってこい!」 「ははははははい!!」 ――10分後―― 「……あれ、私、寝てた……?ご、ごめん!いつの間にか寝ちゃってたみたい!」 「ハハ、疲れてたのかな。でもデータはきちんと取れたから、大丈夫だよ。サンキューな!」 「そ、そう?ならいいんだけど……」 未だハッキリとしない頭の中で、何とか記憶を取り戻そうと尽力する。しかし今はもう、何も思い出せない。とても重要な何か、忘れてはならない何かが頭の隅に、脳の端にこびりついているような気はするのだけれど、それが何なのか、どういうものだったのかが、まるで……思い出せずに……。 〜あしたのために その2 『潜在意識に問いかけて』〜 先ほどは 『疑問は直接聞いてみるのが最も最善策』といった趣旨のことを書いたものの、必ずしも相手が疑問に答えてくれるかどうかは誰にも分からない。かつ、問いかけの内容が性的なものである程、人は気恥ずかしさを覚えるものである。そんなとき僕たちの、特にレディの口は貝よりも硬くなるものだ。 ではどうするか?粘り強く交渉を重ねれば良いのか?それも一理あるが、全体的にしつこい男は嫌われる傾向にある。一度拒絶された質問を何度も何度も投げかけること、これは少々ジェントルマンとしてスマートなやり方ではない。男は常に一撃必殺!忘れてはならない心構えだ。 潜在意識のドアをノックしてみれば、あるいは。 相手のガードが固いのなら、そのガードを崩してしまえ――という発想である。少々搦め手ではあるが、こちらも実効的な手段であるといえよう。 先の物語風な例では様々なマジカルアイテムが登場したが、何もあれらのアイテムに限定する必要はない。もしあなたの知り合いの中にイスラエル諜報特務局、通称モサドの諜報部員がおられるのであれば、彼の手を借りるという選択肢もある。具体的にどうするかについては明言を避けるが、ヒントを出すと『自』で始まり『白』で繋いで『剤』で終わるケミカルなツールを使用する……等のことが考えられようか。 なおこのやり方、シロかクロかでいえば限りなくクロに近い真っ黒、暗黒よりも黒いやり方であり、ことが露見した日には 逮捕⇒起訴⇒実刑 のゴールデンコースは免れ得ないわけで、皆さんにおかれましてはその辺りのことも併せ考えて行動して下さい。いやむしろ、ホントに真似しちゃダメだ。まあそんな気骨のある方はうちのブログなんて読んでないであろうが……。 先を急ぐ。 ――ケースNo.3―― 「んー!やっぱりここのカルボナーラは最高ね!私、生クリームが入ったカルボナーラ苦手なんだあ」 口いっぱいにパスタを頬張りながら恵子が笑う。その弾けるような笑顔を眺めながら、ああ、やっぱりこの子を好きになってよかったな……と、しみじみ感じた。 「ねえねえ、そっちのアラビアータも一口ちょうだい?」 「え?あ、ああ。いいよ」 「あー、今なんか変なこと考えてたでしょー?」 「そ、そんなこと……」 「ホント、昼間っからいやらしっ」 べー、と舌を出しながら恵子は笑う。彼女はいつも僕を茶化すが、実際のところ恵子からそんな風に弄られるのは嫌いじゃなかった。どちらかといえば口数の少ない性格なので、こうやって積極的に話す機会を与えてくれる彼女と過ごすのは本当に気楽なのである。 「はー、お腹いっぱいだねー」 「うん、美味しかった。また来たいね、今度は夜にでも」 「ははっ、何言ってるのよ。この店、ランチは手ごろな価格だけど、ディナーは目が飛び出すほどの値段なのよ?私たち学生の身分じゃ、とてもとても」 「……そうなんだ」 「あーあ。私もいつか、こういう店に毎晩食事に連れてってくれるような素敵な旦那と結婚したいなー」 「……へえ」 「まあでも、そんなのってよっぽどの金持ちじゃないとムリだしね!今日だってちょっと奮発したんじゃないのー?折角のデートだからってさあw」 「そんなこと……ないよ……」 「いいっていいって、隠さなくてもw別に私はその辺のラーメン屋でも平気なんだし……あ、チェックお願いします。んで――」 「……な……よ」 ポツリ、と彼が何事かを口にする。 「えっ?いま何か言った?」 間抜けな声を出しながら、恵子がふと目を上げると。 そこには、修羅の如き形相を浮かべた彼の姿が、あった。 「バカにすんなっつってんだよこの端た女(はしため)がっ!!11!!」 パーン! 突然、鋭い音が店中に鳴り響く。 いきなりのことに恵子は事態を理解できない。 ただ、自分の左頬が徐々に熱を帯びていくのが分かる。 そして、気が付く。 自分が目の前の男から、頬を張られたことに。 「何す――」 当然、恵子は怒った。 怒って、怒鳴ろうとした。 しかしその怒声は、最後まで発せられることなく止まる。 そして恵子の視線は、己の頬を張ったであろう彼の右手に吸い寄せられた。 「あ、アメックスブラックカード!」 ※アメックスブラックカード≒ドラゴンボールでいえば超サイヤ人3みたいな感じ、かもしれない 「ククク……おい、ウェイター」 「は、ハイッ!」 「こいつで……フィニッシュ(会計)だ」 「お、お、お支払回数は……?」 「……だ」 「え?も、申し訳ございません、もう一度――」 「一回払いだ!!11!!」 「「ひぇぇっ!!」」 ウェイターと共に。恵子は思わず奇声を発する。 無理もない、先ほどまで戦闘能力5以下のカスだと思っていた生き物が、唐突に圧倒的な気(≒経済力)を放ち始めたのである。恵子ならずとも、恐れおののく場面であろう。 「一体……どうして!?」 「ハハッ、なに、簡単なことさ。先日うちの庭を掘ってたら、ちょっと黒い水が湧き出てきて。それで、ね」 「オイルマネー……!」 「まあそういうことだから、僕からしてみればこの程度の店、毎日……いや、毎時毎分毎秒だってッ!!君を連れてくることができる訳だッッ!!」(ドドドドドドドドドドドド) 「し、信じられない!だって、今までそんな素振り、一度だって!」 「何ィッ!?貴様これでもッ!!これでも信じられぬと言うかッ!!」(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ) スパーン!! 再び乾いた音が店内に響き渡る。 「痛っ、痛い!顔は、顔はやめてっていつも言って――」 その時、恵子は見た。 彼の右手に握られた、眩い金のインゴットを! 「まっ、まさかそれは!1000分の999.9以上の純度の金、つまりフォーナインのインゴット!?」 「いかにもッッ!!限りなく1000に近づこうとするこの黄金こそ王者の証、統べる者にこそ所有を許された絶対の勲章よッッ!!平伏せ愚民どもがッッ!!」(ズキューーーーーーーーーン) 彼は叫ぶ。 虚空に向かって高らかに、そして厳かに。 そのあまりに神々しいオーラに、ある者は泣き叫び、ある者は失禁し、またあるものは祈りを捧げる。彼は確かに巨万の富を有している――そのことを疑う者は、最早誰もいなかった。 「そして今ッ!!端た女に問おうッ!!」 「は、はいっ!!」 一本で10キロはあろうかというインゴット、それを彼はジャグリングするように軽々と弄びながら恵子と向き合う。店内では誰も何も音を発しようとしない。 そしてゆっくりと、帝王が口を開いた。 「汝、手マンは好きか」 「えっ、きらアケラス!!」 耳をつんざく恵子の絶叫。 見れば、帝王の右手には黄金でできたヴィトンのバイブが握り締められていた。恵子の秘部にて右へ左へムーブするヴィトンのバイブ、それはまるでフェアリーのダンスのようでもあって―― 「手マンは好きかねッ!?」(ドギャアアアアアアアアアン) 「アッ、アッ、アウナス!!フォルネウス!!す、好きっ、好きですアアアアアア!!!」 その言葉に満足そうに頷いた帝王は、己の着ていた上着を恵子の肩にかけると、ヴィトンのバイブを手渡しながらそっと耳元で――囁いた。 「プレゼント・フォー・ユー――」 〜あしたのために その3 『いっそ金で』〜 この例についてはくだくだしい説明など不要ですね。圧倒的な財力を背景に、力押しで切り崩してしまえ!というのが本件の根底に流れるマインドです。何とか金銭を用意することができれば誰でも行うことができる、というのがこのやり方のミソ。金は等しく皆さんの味方なのだ……といったところでしょうか。至言です。 ということで。駆け足ではありましたが、以上で 『あなたもトライ!気になるあの子の本音を聞きだす100の方法』 の解説を終えたいと思います。本稿が皆さんにとって何らかの助力になることを願いながら、祈りながら、本日はキーボードを叩き壊しておくとしましょう。 それでは、シーユーネクストニクヨク!バイバーイ!(^0^)/~~