人にはそれぞれ夢とか理想とかあると思うけれど、それを叶えることは決して容易ではない。様々な艱難辛苦を経て、努力や精進を重ね、類稀なる機会と運とに恵まれ、その先にようやく掴むもの――それが夢、あるいは理想なのである。   夢に至る道、それはとても狭く険しい。夢に向かって膨大な努力をしたからといって、かならずしも夢が叶うとは限らない。だから僕たちは知らぬ間に夢を忘れ、泥臭い現実の中で忙殺されていき、いつしか夢に対して冷笑的な想いを抱くに至る。切ない話だが、それが "成長" という言葉の意味なのかもしれない。 あの日、あなたが抱いた夢を。 今でも覚えておいででしょうか。 「もういいんだよ。夢とか、そういうの」 本当にそれでいいのだろうか?無理だから、ダメだったから、一度失敗したからといって、そんなに簡単に夢を、野望を諦めて良いのだろうか。 僕は思うのである、夢とはきっと 『自分を信じて諦めなかった人間にこそ、掴む資格があるのだ』――と。 夢とか野望とかいうモノをとことんまで抽象化していけば、それはどう考えても 『カネ』 と 『オンナ』 の二つになる。英語風に言えばマネー&セックス、それが僕たちの夢であり理想であり野望なのだ。 「いや、違うよ!?!」 そんな声は完全にシカトさせていただく。言うても、好きなんでしょう?ゲンナマとオメコ、大好きなんだろう?知っているんですよ僕は、皆さんの "本音" をね……ホンマ、獣じみておる……。 さて、僕たちメンズの抱く夢の99.99%は 『カネ』 か 『オンナ』のいずれかに帰属する、という事実が論理的に明らかになったが、ご存知の通り、この両者をサイコーの形でゲットするのは実に難しい。ことカネに至っては、現在日本を席巻している未曾有の大不況から鑑みると、大金を稼ぐことは非常に困難な状態である。 オンナはどうか。これについても難しい問題が山積していると言っていい。とにかく 『好ましい異性のハートを手中に収めること』 というのは、古来から残る大問題のひとつだ。色恋の悩みはいつの時代でも僕らの心を激しくシェイクする。 カネも駄目、オンナも駄目、となればやっぱり夢も希望もないじゃないか!――という声もあるかもしれない。けれど、もう少しだけ待って欲しい。 カネの方は確かに無理かもしれない。しかしながら、オンナの方は本当に駄目なのだろうか?確かに、あなたの近くに幼馴染が存在しないにも関わらず 『幼馴染とハードにファックしたい!』 と願っても、これは絶対に叶わないだろう。0に何を掛けても0だからである。 けれども、そのような特異な例を除けば、僕たちの欲求というものは割合簡単に叶えることができるのではないか。先に僕は 『幼馴染』 という概念を引き合いに出した。それはあくまで一例であるが、ここには重要なヒントが隠されているように思われる。 僕たちは 『カネ』 と 『オンナ』 を求めているのは確かだが、そこにはもう少し詳しい説明を施さねばなるまい。我々メンズが 『オンナ』を求めるとき、ただ漠然と女性の身体を求めているのではない。結論から言うと、我々は "幼馴染" や "頼れる女性上司" などという風に、女性に対して【とある背景】 を強く求めているのだ。ここが重要なポイントであろう。 属性。 僕たちは誰もが 「求めてやまないサイコーの属性」 を心に抱えている。いわゆる "ツンデレ" や "ヤンデレ" などは顕著な例であるが、実際のところ僕たちの求める属性はもっと複雑怪奇だ。 "ツンデレ" という属性ひとつ考えてみても、一体どの段階で "デレ" を求めるのか?という問題に立ち入れば、それに対するベストアンサーはどこにも存在しない。100人いれば100人の "ベスト" がある。 「勝気な委員長(黒縁メガネ)に尻をスパンキングされつつ 『これは不正競争防止法違反ね……』 と耳元で囁かれながら猛り狂ったチンポをしごかれたい」 友人がかつて放った金言であり、このセリフは実に含蓄が深い。かなり倒錯的な性的嗜好ではあるが、結局のところ "その" シチュエーションこそが彼の夢、あるいは野望なのだ。彼は、あるいは男は、漠然かつ盲目的に 『オンナ』というものを欲しているのではない――そこのところを理解して頂きたい。 しかしながら、立派な成人男性と成り果ててしまった彼の周囲には最早 "委員長" というイキモノは生息していない。有り得るとすれば彼が教師になる他ないが、いずれにしても彼が(18歳未満である委員長に対し)具体的な行動に打って出た瞬間にシャバよサヨウナラ、牢獄よコンニチワが確定してしまう。法治国家としての現実だ。 だからこそ!我々メンズはAVに、エロゲームに、もしくは風俗に――走るのではないだろうか。よく 『どうして男の人は恋人がいるのに風俗に行くの?』 というウヴな質問を投げかける御仁がおられるが、逆に問いたい。 「じゃあアンタの彼氏が 『頼みがあるんだけど 「アラ、田中さんったら随分激しい便秘ね。フフ、今日はグリセリンを2000ccばかり注入しなきゃねぇ……」 って囁きながら、この馬用の浣腸で三時間ほど俺の腸内を診察してくれないか?』 っていきなりオファーしてきたら、どうする?」 終わりが始まるだろう。もちろん、万が一の確率で二人の性的嗜好が噛み合うこともあるかもしれない。が、それはかなりのレアケースだと思われる。それは彼の抱える願望が奇特なものであればあるほど、だ。 「今日はアヌスに採れたてのタラの芽を捻じ込んで欲しい……」 そんな御仁、絶対にいない!とは言えない。いわゆる "山菜プレイ" であるが、このプレイスタイルが究極にして至高なのだ――と考える人も、日本あるいは世界のどこかにいる、かも、しれない。そしてある日突然、あなたの彼氏から狂った目つきで山菜プレイをオファーされたとしたら。あまつさえ 「今日は新鮮なタケノコが採れてね。ホラ、こんなに野太い」などと水を向けられた日には。 風俗しかないのではないか。カネで解決するしか、ないのではないだろうか。五万ほど支払うから、今日はフキノトウをぶち込んで欲しい……家内には言えなくて……さあ、頼みますワイ!!という旦那の声、あなたは責めることができるのでしょうか!?ああいや、できるでしょうね。それは正当化できねーわ。即離婚しても許される案件だわ。山菜はないわ。 とはいえやっぱり僕たちは弱い弱い人間であるため、長い人生の中で "うっかり" 道を踏み外すこともこれ、あるかもしれない。『新宿西口に超リアルな委員長プレイのできる店がある!』という噂を聞きつければ、僕の友人は光の速さで諭吉を用意するかもしれない。そのとき、おそらく彼の脳内では 『彼女が家で待っている!』 ではなく 『ウヒョウウイ!積年の夢が叶うかもしれない!!』 というシャウトが激しく木霊しているだろう。許されざる悪行だが、個人的に理解はできる。それは切なくて悲しい、彼の抱えるカルマなのだ。 『リクルートスーツ風俗』 があれば。僕は正気を保てる自信がない。昨年のこの時期にも書いたが、リクルートスーツから放たれる訴求力というのは一種凄まじいものがある。特に就職活動が盛んになるこの時期、春の雰囲気も相まって、僕の心は千々に乱れるのだ。 「アレでしょ、面接官の立場で 『内定が欲しかったら、分かるよね?』 みたいなプレイをしたいんでしょ?分かりますよw」 本当にお前さんたちはねぇ!まだまだボウヤだよ、と言わざるを得ませんよ。確かにそういうプレイに魅力を感じないわけでもないけれど、僕の求める境地は別の場所にある。 面接官 vs 就活生という図式は分かりやすいが、それだけに意外性に乏しい。故に僕の場合、就活生 vs 就活生という構図を前面に押し出したい。押し出したい! 例えばグループディスカッションをしている最中、不勉強な僕は勤勉なリクルートスーツ女子にボロボロに論破されるだろう。彼女は勝ち誇った笑顔を浮かべつつ『何か反論は?』と冷静に問いかけ、僕は悔しさのあまりプルプルと震える。彼女はそのまま席を立ち、会議室を後にしようとする――その刹那、彼女の身体がビクン!と艶かしい反応をみせる。そう、僕が彼女のエビアンにこっそり仕込んでいた媚薬が効能を発揮したのであった。 「く、悔しい……!」ハンカチを噛む彼女、その表情にかつての聡明さは微塵と残っていない。ゆとりを持った風情で彼女に近づくと 「肉体ディスカッションの時間だね」と囁きつつ、おもむろに服を脱いで夜のM&Aを開始。 「自己PRをどうぞ」 僕が聞くと、彼女はカパリと脚を開く。「開かれた社風が云々!」 満足気に頷く僕。その瞬間 「昨今の激しい円高が云々!」 と叫びながら僕の愚息に手を伸ばす彼女、僕は冷静に「君、それはカリ高だよ」と突っ込んだ瞬間、ウアア!ヒイイイイ!!と叫びながら絶頂に達する彼女。迎えたプレイ終了時間、僕はボウイにありがとうの意味でウィンクをすると、颯爽と夜の街へ向かうのであった――(fin) ぶっちゃけ自分で書いていてもサッパリ意味が分からなかったのですが、ニュアンスとしては大体こんな感じだろうか。とにかくリクルートスーツの破壊力は異常!ということをお伝えしておきたい。 もう一つあって、それは卑近な言い方をすれば "ヤンキー風俗" なんですけれども、これはつまりヤンキー風の女性が勤務している風俗のことで、たぶんまだこのジャンルは開拓されていない気がするのですが、どうだろうか。 店に入る。瞬間、足を引っ掛けられて盛大に転ぶ客。え……と驚いて目を上げると、ヤンキーがクチャクチャとガムを噛みながら客を見下ろしている。「テメー何見てんだよ!?」 罵声を浴びせかけられながら襟を掴まれる客。「な、何でもないです!」抗弁するも、ドヤドヤとヤンキー仲間に囲まれて体育倉庫の裏へと連行されていく。 「オラッ、身包み剥いじまいなー!!」 リーダー格の号令と同時に、次々と服を引き裂かれる客。たちまちに全裸にさせられると、チンポを弄ばれつつ 「情けないチンポだねぇ?!」「キャハハハ!!」と悪罵の限りを尽くされる。こんな粗末なブツでアタイを喜ばせることができるのかい!?とか一方的に怒鳴られつつ、唐突に激しい手コキをカマされる客。その手コキ、妙に上手くて。あっという間に涅槃へと到達した客は、為す術もなく放心状態に陥る。「臭い汁出してんじゃねーよこのウジ虫!」非常に理不尽な怒りを向けられつつ体育倉庫裏から放逐される客。ビリビリに千切れた衣服を抱えつつ、さめざめと泣きながら店を後にしようとする……間際、唐突に客の肩が掴まれる。振り向くと、先ほどのリーダー格がそこに立っていた。そして彼女が、口を開いて曰く 「かっ、帰るなよ……///」  ――ここまででプレイ―― どうか?!正直、これを思いついた瞬間 「ああ、これはクるな」 と確信しましたよね。あらゆるニーズに対応できる気がして仕方ありません。皆さんだって現在、若干チンポを押さえながらこの日記を読んでいますものね。分かる、分かるぜ。アンタらのことはよーく分かってる。な! 冒頭の方は夢だの理想だの堅苦しいことを述べましたが、結局のところ今日の日記の論旨は 「こんな風俗、あったらイイネ」というものに過ぎなかったワケで、さて皆様、如何お過ごしでしょうか。今日も僕は元気です。リクルートスーツプレイについては3万までなら出す所存です。所存です!